ランクル70に乗るときは、腕を磨け。

ランドクルーザーの歴史というのは、警察予備隊への納入を目指して開発されたトヨタジープBJに始まっているのです。

当時「ジープ」の名称は、アメリカのウイリスオーバーランド社の商標権に触れてしまうことから、1954年に新たに「ランドクルーザー」という名称が与えられたのです。

「ランドクルーザー」という名称からおよそ54年経ったいまランドクルーザーの名は匝界中に広まっているのですが、その間にクロカン4×4が求められる性能は大きく変わってきました。

ランクルシリーズは、ヘビーデューティーなワークホースとして生まれたのですが、快適性や乗用車としての使い勝手を考慮したモデルが派生してきて、今や高級乗用車に匹敵するような豪華な装備を備えたランクル200が君臨しているのです。

ランクルシリーズが、装備が贅沢になり、乗り心地や操縦性が乗用車に近くなったとしても、ランドクルーザーモデルは、高い走破性を有することが宿命づけられている車なのです。

ランクル70はランクルシリーズの歴史の中でも、最もストイックに走破性を追求し続けたモデルといってもいいです。

ランクル70のデビューは1984年で、直系である40系の後継モデルとして開発され、外観こそ直線基調のモダンなデザインに一新されたものの、頑丈なラダーフレームや信頼性の高いパートタイム4×4システム、前後リーフリジッドの脚まわりなど、基本的なメカニズムはほぼランクル40から踏襲されています。

ランクル70は、搭載エンジンやミッションの変更をはじめ、時代に即した内容の見直しを図りながらも、2004年に国内販売を終了するまで、基本となるコンセプトを守り続けた車なのです。

現存は、ABSの技術を転用した電子制御デバイスの普及により、乗用車と共通のプラットフォームを持つ4×4でも、地上高さえ持ちあげてやれば、取りあえず簡単にはスタックしないだけの走破性を与えることはできるのです。

ランクル70は、あくまで古典的な機械式の構造によって、悪路走破性を確保することにこだわっているのです。

ランクル70は、駆動力伝達に逃げのない直結四駆、前後アクスルに用意された機械式デフロック仕様は、世界中のあらゆる過酷な走行状況を考慮して、悪路での信頼性を最優先した結果なのです。

ランクル70は、シンプルな構造で故障しにくく、故障しても修理が容易ですし、電子制御に頼らずに高い走破性を実現するためには、快適性や操縦性など、犠牲になっているのです。

ランクル70は、清々しいほどの割り切りこそが魅力ですし、スパルタンな乗り味や使い勝手の悪さは承知して、ドライビングの腕を磨かなければなりません。

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