ランクル70の頑固な設計思想


ランクル70は、クロカン4×4に対するニーズの多様化には目もくれず、ひたすら基木を忠実に守り抜いた頑固な車ということが言えます。

ランクル70の骨格は、モノコック構造ではなくラダーフレームなのは当然としても、堅牢さや重厚さは、今どきの4×4とは一線を画す車なのです。

最近はクロカン4×4にも、対歩行者、対乗用車の衝突安全性を考慮したコンパチビリティーが求められていますが、ランクル70が設計された時代の4×4は、とにかく壊れないことが重要とされていたのです。

ランクル70は、世界中のあらゆる過酷な地域を想定し、大きな断面積と分厚い板厚を持つボックス型のサイドレールに、丸パイプの貫通式を含むしっかりしたクロスメンバーが組まれ、スチール製の前後バンパーもクロスメンバーです。

ランクル70は、ちょっとやそっとの衝突では、ビクともしない強いラダーフレームで、サスペンションは、古典的な前後リジッドアクスルですし、デビュー当初は前後ともにリーフスプリングが使用されていたのですが、99年登場の最終型ではフロントをコイル化する大改修を行っています。

ランクル70のリーフ・リジッドは、リーフスプリングが、スプリングの役割だけでなく、アクスルの位置決めを行うリンクの役割も兼ねているので、安定した操縦性を得るために、乗り心地を犠牲にしてもスプリングを硬めに設定しています。

ランクル70のコイル・リジッドでは、アクスルの位置決めを専用のアームに委ねることで、スプリングのソフト化が可能になり、フロントがコイル化された最終型のランクル70も、その恩恵を受けてバネレートが低下しているのです。

ソフトなスプリングは良く動く脚というイメージがあるかも知れませんが、ランクル70のコイル・リジッドは、剛性の高い3リンク式.で、アクスル側に設けられたふたつの支点が、ねじれ方向の自由度を奪うため、実際のところ、モーグ.ル地形などでのサスペンションストロークが大幅に増えたわけではないのです。

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